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世界の縁からこんにちは

いろんなことを書きます

世界で一番格好良い

 「世界で一番格好良い」。今野浩喜さんをそう表現すると、彼のファン以外は首を傾げるかもしれない。でも、いや、だからこそ伝えたい。今野浩喜さんは世界で一番格好良い。

 

 今野さんは昨年まで、「キングオブコメディ」という看板を背負っていた。今野さんはずっとその看板を守ってくれていた。売れようとネタ作りに励んでいた時も、当時の相方が冤罪で活動を自粛した時も、ニコニコ動画でレギュラーが決まった時も、キングオブコントに挑んだ時も、自分ばかりに仕事が入っている時も、いつも、いつも看板を守ってくれていた。コントの役柄とは打って変わって、本来の今野浩喜さんは無口で冷静な人だ。今野さんの淡々とした優しさに、何度も救われた。15年間飄々と、ずっと看板を守ってくれていた。

 

 今野さんは、2015年12月29日に、いつもと変わらず漂々と看板を下ろした。

 

 そして元相方の出演する予定だった舞台に登板することを、飄々と告げた。

 

 今野さんが急遽登板することになった芝居の日にちは1月24日。彼は元々、1月26日から別の舞台に出演することが決まっていた。本来の舞台の稽古を行いながら、合間を縫ってゲスト出演の舞台のセリフを覚えなければならない。舞台と舞台の間は、1日しかない。想像しただけで倒れそうだ。しかし彼は、すぐに元相方の穴を埋めた。

 

 元相方の起訴、再逮捕などのニュースの度、何も関係のないようなことを今野さんは飄々とSNSにアップする。それが偶然なのか、わざとなのかは分からないが、今野さんの言葉や写真を見るだけで、気持ちがうんと軽くなる。

 

 今野さんは背負ってきた看板について語ることがあるのだろうか。あってもいいし、なくてもいい。大衆に向けて話したくなったら話せばいいし、口にしたくないならそれでいい。彼はもう重たい看板を下ろしたのだ。今となっては重たくて汚れた看板だ。そんな足枷にとらわれることなく、これからも飄々と、好きなように前に進んでいって欲しい。私はずっとついて行く。

 

 元相方・高橋健一さんは「シンデレラ」だったのかもしれない。魔法にかけられて、きらびやかな世界でダンスを踊ることが出来た。ダンスの相手は勿論、今野浩喜さんだ。王子様はガラスの靴の相手を探すことも出来る。顔は覚えていなくても、靴を履かせればすぐにダンスの相手かどうか分かる。その靴と、二枚貝が合わさった時のようにピタリと重なる足の持ち主は、この世に一人しかいないのだから。

 でもその靴の相手を探さなくてもいい。探さなくても、今野さんはガラスの靴を持ってくれている。その事実だけで、私は強くなれる。

 

 世界で一番格好良い王子様はとても漂々としているが、ユーモラスで演技派だ。今後も今野浩喜さんの活躍がカサネられていく様子を、ずっと見ていきたい。